一茶ん

メディア

「吉田調書」報道、10年目の教訓

ちょうど10年前の2014年5月20日、朝日新聞の1面トップに衝撃的なニュースが載りました。その見出しと、記事の前文は次の通りです。 政府事故調の「吉田調書」入手/ 所長命令に違反 原発撤退/ 福島第一 所員の9割 東京電力福島第一原発所長...
メディア

会見、記者も見られている

東京都庁の知事室には一度だけ入ったことがあります。2001年秋、石原慎太郎知事に直前にあった9.11同時多発テロ関連のインタビューをするためでした。知事室は48階建ての庁舎の7階にあります。防災服姿の石原さんが「低層階にあるのは、何かあった...
メディア

新聞の「聞く力」は大丈夫か

水俣病患者らとの懇談で環境省がマイクを切って発言を遮った問題で、伊藤信太郎環境相が1週間後の8日になって患者側に謝罪しました。岸田首相の掲げる「聞く力」に疑問符が付く大失態と言っていいでしょう。 一連の報道をめぐり、もう一つ気になることがあ...
メディア

AI時代の記者たちへ

もう40年近く前のこと。政治部の先輩がタイプライターのような機材を抱えて職場にやってきました。左右の人差し指でキーボードを打つと10センチ×2センチほどの横長の画面に短文が表示され、その場で印刷できたのに驚いた記憶があります。 「ワープロと...
国際

アメリカ政治の複雑怪奇

アメリカ政治の懐の深さを久しぶりに見た気がします。 米下院が20日、ウクライナ支援のための法案を可決しました。内向き志向を強める共和党の反対で半年に及び暗礁に乗り上げていましたが、結果は賛成311票、反対112票と意外にも圧倒的な大差がつき...
経済

中国統計の怪

サプライズ 中国国家統計局は17日、1~3月の国内総生産(GDP)が実質で前年同期比5・3%だったと発表しました。不動産不況の中、大方の予想(4%台)を上回り、日本のメディアも「政府目標上回る」「持ち直しの動き」などと報じました。 なぜ「サ...
政治

学歴疑惑、メディアは責任果たせ

小池百合子・東京都知事をめぐる学歴報道が波紋を広げています。知事の元側近で弁護士の小島敏郎氏が『文藝春秋』5月号(4月10日発売)に「学歴詐称工作に加担してしまった」とする告発手記を掲載したのです。真偽は不明ですが、7月には都知事選が控えて...
政治

派閥解散の行きつく先

自民党茂木派が17日の総会で、政治団体「平成研究会」の解散を決めました。岸田首相が1月に、自らの出身派閥である宏池会の解散を表明して3カ月。これで党内6派閥のうち、残るのは麻生派だけになりました。 政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、新聞...
政治

岸田首相の米議会演説

日本の政治家の演説で、良くも悪くもこれほど率直な物言いは聞いたことがありません。岸田首相が米議会の上下両院合同会議で行った演説です。「米国は独りではありません。日本は米国と共にあります」「日本は控えめな同盟国から、強く、コミットした同盟国へ...
メディア

コラムを読む楽しみ

定年後、市立図書館で新聞各紙に目を通すのが日課になっています。特に、各社の名文家が競う1面コラムを読み比べるのが楽しみです。2月12日付の東京新聞・筆洗の書き出しにはつい引き込まれました。 昭和40年代の話だろう。作家の三島由紀夫が深夜、講...